Indeed求人表示の仕組みを徹底解説 – API仕様から見る必須項目と表示場所

世界最大級の求人検索エンジンIndeed。多くの企業が採用活動の主軸として利用していますが、その求人情報が「どのように」「どの項目を」表示しているか、正確に理解しているでしょうか。

実は、Indeedへの求人情報の提供は、多くの場合「API」や「XMLフィード」という仕組みを通じて行われています。この技術的な仕様を理解することは、求職者の目に留まりやすい、魅力的な求人票を作成するための重要な鍵となります。本記事では、IndeedのAPI仕様を基に、求人情報の各項目がページのどこに表示されるのかを詳しく解説します。

1. 求人情報の心臓部 – Indeed XMLフィードの構造

自社の採用サイトの求人をIndeedに掲載する場合(クローリング型)、Indeedの検索ロボットが読み取るためのXML形式のデータ(フィード)を用意することが一般的です。このXMLフィードに含まれるデータ項目が、Indeed上の表示のすべてを決定します。

主要な項目は十数個あり、それぞれが表示上の役割を持っています。これらの項目を正しく設定することが、クリック率や応募率を高める第一歩です。

2. 主要なデータ項目一覧と解説

以下は、IndeedのXMLフィードで定められている主要なデータ項目(要素)の一覧です。これらの項目が、検索結果や詳細ページにどのように反映されるのかを見ていきましょう。

項目名 (XMLタグ) 内容詳細 表示されやすい場所 ポイント・注意点
<title> 求人の職務名。最も重要な項目。 検索結果 / 詳細ページ 具体的で分かりやすい職務名にする。「[職種] Webエンジニア」など。クリック率に直結。
<company> 求人を出している企業名。 検索結果 / 詳細ページ 正式名称を正確に記載。知名度がある場合は絶大な効果を発揮。
<city> / <state> / <country> 勤務地の市区町村、都道府県、国。 検索結果 / 詳細ページ 「エリア × 職種」検索の基本。正確でないと候補者に表示されない。
<description> 求人の詳細な説明。仕事内容、応募資格、待遇など。 詳細ページ HTMLタグが利用可能。箇条書きや改行を使い、見やすく構造化することが重要。
<salary> 給与情報。「月給 30万円~45万円」など。 検索結果 / 詳細ページ 専用項目への記載で「給与〇〇円以上」といった検索フィルタの対象になる。非常に重要な項目。
<jobtype> 雇用形態。「正社員,契約社員,アルバイト」など。 検索結果(フィルタ) / 詳細ページ フルタイム、パートタイム、契約など。求職者が絞り込み検索に使う重要フィルタ。
<date> 求人情報の掲載開始日。 検索結果 / 詳細ページ 「〇日前」という形式で表示される。情報の鮮度は求職者の関心が高い。
<url> 応募先のURL。自社の採用ページのURLなど。 (直接表示されない) 詳細ページの「応募画面へ進む」ボタンのリンク先となる。
<experience> 必要な経験年数。「3年以上」など。 詳細ページ(要約欄) 必須経験を明記することで、ミスマッチを防ぐ。

3. 画像(ロゴ)の取り扱いと表示について

求人情報に会社の風景やメンバーの写真を載せて魅力を伝えたい、と考える採用担当者は多いでしょう。しかし、Indeedの基本的な仕組みでは、求人ごとの説明文に画像を自由に挿入することはできません。

求職者が最もよく目にする「会社ロゴ」の表示は、個別の求人データではなく、「Indeedカンパニーページ」という別の仕組みと連携しています。

画像の種類 表示方法・仕組み ポイント
会社ロゴ 検索結果一覧で社名の横に表示されるロゴは、「Indeedカンパニーページ」に登録されたロゴが自動的に表示されます。XMLフィードにロゴの項目はありません。 まずは自社のカンパニーページを整備し、ロゴを登録することが最優先です。これが最も費用対効果の高いブランディング手法です。
求人詳細内の画像 <description>タグ内にimgタグで画像を指定しても、原則として表示されません。これは、全求人のフォーマットを統一し、求職者の見やすさを担保するためです。 画像を使ったアピールはできません。その分、文章の構成や言葉選びで魅力を伝える工夫が求められます。
ヘッダー画像など 求人詳細ページの上部に表示される特別なバナー画像などは、「スポンサー求人」の有料オプションとして提供される採用ブランディング機能の一部です。 予算をかけて採用ブランディングを強化したい場合に検討する選択肢となります。

4. ページ別 – 各項目の表示場所と見え方

データ項目が実際のページでどのように表示されるのかを具体的に見ていきましょう。

【検索結果ページの表示イメージ】
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求職者がクリックした先の「求人詳細ページ」では、給与や雇用形態が上部にまとめられ、その下に<description>で指定した詳細な情報が全文表示されます。

5. 【重要】PCとスマホでの表示の違いと対策

Indeedの利用者の半数以上はスマートフォンからアクセスしています。そのため、求人情報はスマホでの見え方を第一に考えて作成する必要があります。

検索結果ページの違い
観点 PC スマホ
レイアウト 2カラム表示(左に一覧、右に詳細)が基本。一度に多くの情報が見渡せる。 1カラムの縦スクロール。一度に見える求人数が少なく、1件あたりの情報が重要になる。
情報の表示量 職務名や説明文が比較的長く表示される。 画面幅が狭く、情報が省略されやすい(「…」表示)。
【対策】 最も重要なキーワード(職種名など)は職務名の最初の15文字程度に含める。
求人詳細ページの違い
観点 PC スマホ
レイアウト 横幅があり、見出しや段落を使えば全体を把握しやすい。 縦に長い1本のテキストとなり、単調だと読みにくい。
可読性 長い文章でも、モニター上では比較的苦にならずに読める。 長文や詰まったテキストは圧迫感が強く、離脱の原因になる。
【対策】 箇条書き、短い段落、適度な改行を多用し、リズミカルに読めるように工夫する。

まとめ – API仕様の理解が採用成功の分かれ道

Indeedでの採用活動を成功させるためには、ただ求人情報を掲載するだけでは不十分です。その裏側にあるデータの構造を理解し、適切な項目に適切な情報を配置することが極めて重要になります。

  • 【現状】 求職者の半数以上がスマホを使い、検索結果画面の「タイトル」「企業名・勤務地」「給与」を数秒で判断し、クリックするかどうかを決めている。
  • 【課題】 給与や雇用形態といった重要な情報を、<description>の中に文章としてしか記載していない。また、PCでの見え方しか想定しておらず、スマホで読みにくい求人票を作成してしまっている。
  • 【対策】
    1. データ構造を意識する: 給与、雇用形態、勤務地は必ず専用項目を利用する。
    2. Indeedカンパニーページを整備する: 求人にロゴを表示させ、信頼性を高めるために、まずはカンパニーページを作成・更新する。
    3. スマホ表示を第一に考える: 重要なキーワードは職務名の最初に配置する。説明文は箇条書きや短い段落を使い、読みやすさを追求する。

IndeedのAPI仕様に沿って求人情報を最適化することは、いわば「求職者に見つけてもらいやすくするためのSEO対策」です。この一手間が、優秀な人材からの応募を増やすための大きな一歩となります。

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