リクルートがタウンワークオンラインで求人広告を顧客自身が管理する”セルフ型”を提供中。求人広告の販売スタイルに変革は起こるのか

これまでは求人広告というと、営業スタッフに発注依頼をして、求人原稿を提案してもらったり取材にきてもらったりとメディア側が能動的に動く、メディア主導型のスタイルが常識でした。特にリクルートはジョブセンス登場以降も、このメディア主導型を実施してきましたが、タウンワークオンラインにおいて、顧客が自ら求人を作成、出稿、管理していくセルフ型を一部で導入しました。

顧客自身が求人を管理するセルフ型のメリットは”早い”+”安い”を実現できること

一般的に普及しているメディア主導型のスタイルは、何をやるにしてもメディアの営業スタッフなどに連絡をして行ってもらうというもので、他人がやってくれるという点では非常に魅力的なものです。しかし、構造上、対応スピードが遅くなるという問題があり、迅速な対応が求められる場合などには適していません。また、求人原稿の作成、提案、確認、入稿等、工程が多岐にわたるため、求人メディア側の管理コストが非常にかかります。そうなると当然、安く販売することができなくなるわけです。セルフ型のモデルは、こうした既存のモデルの問題を解決できるというメリットがあります。

すべての人がセルフ型を使いこなせるわけではない。主流はあくまでも「人にやってもらいたい派」

しかし、このセルフ型には問題もあります。それは求人広告を作成、管理する能力が必要になるということです。求人広告の管理には、まず求人という特性上、募集時の表現の規制などを踏まえて原稿を作成するための法的な知識、倫理観、そして文章能力が必要となります。そして、どういった写真を掲載するべきかを考えて、画像を用意、編集する能力も必要です。その上で、ネットサービスで提供される管理画面を使いこなすという能力をもっていなければなりません。こうした様々な能力が必要されるセルフ型、これを的確に使いこなせる人は求人広告を必要としてる市場全体でみると比率はまだまだ多くはありません。人材を募集する企業、お店側の主流は「お金を払うから人にやってもらいたい」という層です。

リクルートが狙うのはタウンワークの販売強化と情報更新のスピードアップ+コストカット

主流派が依頼したいという人たちであれば、なぜ今、リクルートはセルフ型に着手するのか。もっとも安直で、わかりやすい理由は、営業スタッフに追いまわされるのが嫌いな層をとりこんで、売上の拡大を狙うというものです。こうした層は営業をかけられることを嫌うため、既存の営業スタイルの働きかけでは購入しません。こういった、これまでプッシュ型の営業で落とせなかった層をとりこんで、顧客層を厚くするというのは、セルフ型を導入するひとつのメリットです。また、求人検索エンジンのように毎日、自動で情報を収集し、掲載するモデルと比較すると、既存のメディア主導型モデルでは情報の鮮度を保つためのコストが非常に高くなってしまい、金銭的、時間的なコストでネット時代においては負けるポイントになります。販売強化と情報更新のスピードアップ+コストカットというのは、セルフ型導入のわかりやすいメリットです。

顧客への複数商品の効率的な販売のためのプラットフォーム作りを構想中?リクルートの世界NO1の人材サービス企業にむけた布石の可能性

さらに、今回のセルフ型、前述のような短期的な目標以外に、世界NO1の人材サービス企業への布石となる、プラットフォーム構想も理由のひとつとして考えられます。リクルートの営業の強みの一つは求人広告代理店を大量に抱えていることです。しかし、この代理店による販売には問題もあります。ひとつは顧客が代理店のお客様となってしまうということ。二つ目は、代理店の売れるものしか売れないということです。こうした代理店の販売モデルの問題を解消するための案として考えられるのが、顧客を直接囲い込むプラットフォーム構築です。

プラットフォームを作って顧客を囲い込む。そのプラットフォームの中で人材を募集したいとおもった企業は自ら広告の購入意思を示したり、相談ができるようになれば、今よりも早く、さらに質の高い販売体制を敷くことができます。そして、このプラットフォームの中で、顧客に対して様々な人材獲得の商品を代理店が営業をかけていく。代理店の販売状況、活動状況もリクルートは把握でき、何が課題となって売れていないのかもわかるようになります。こうなれば改善スピードは飛躍的にあがるでしょう。タウンワーク、フロムエーなどで求職ユーザ側は、徐々に共通化を進めていますが、今後は顧客側もプラットフォームの構築によって共通化を進め、販売の効率化を行っていくことも考えられます。今回の動きがどのような発展を遂げるのか、しばらくは目が離せそうにありません。
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タウンワークオンラインのセルフ型参考画像